新しい入所のルールについて

平成15年4月1日から適用されている、当施設における入所新ルール

厚生労働省の省令改正に伴う、特別養護老人ホームの入所について「介護の必要の程度及び家族などの状況を勘案し、これらの者が指定介護老人福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められる場合、優先的に入所させる」としている。

これに伴い、当サイト、トップページに、管理者の私案 と 北海道老施協の一次試案を掲載してきたところであるが、12月13日の道老施協主催のブロック説明会において、 1.待機期間(申し込み順)を点数化することは国の方針と反している、 2..経済状況や在宅サービスの利用状況を総合的に判断して必要性を考慮する必要がある。 という点が指摘され、老施協案に沿った内容でルール作りを求められているところであり、また当市の意向としても、近隣他市町村と著しく違うルールではないことが望ましい、という点を指摘されている。

しかし老施協案の中において、入所申し込みに、入所申込書とは別に、認定審査会資料か概況調査の提出を求められている点については、

  1. 移動手段の確保が問題となる高齢者にとって、入所申し込み窓口が施設と役所の2つになることの問題。
  2. 地域によっては交付が有料であるところがあり、実質、入所申し込みが有償化されるという問題。
  3. 担当ケアマネが代理請求しても、代理請求自体を認めない地域、ケアプラン作成以外の目的で書類を交付しない地域が存在するという問題。

このことを考えると、入所申込書の中に、概況調査における問題行動をチェックする項目を設け、自己申告する方法が考えられる。この場合、正しい申告が行われないという指摘があるが、これについては判定要素3の介護者の状況なども同じことが言えるわけで「問題行動の判定」だけに客観的要素を入れるということ自体が不合理であるし、これらは入所前に事前調査(インテーク)を行うことで実態と著しく乖離した状況である場合は修正し、順位付けを変えることも可能であり大きな障害とはならない。よって当施設における入所新ルールについては、老施協案のルールに沿ってA~Eのランク付けを行うが、その方法は入所申込書の申告状況のみで判定することとする。

1.「判定指針」の判定要素及び判定基準

  1. 判定指針の判定要素1<要介護度>
    要介護度5~1を、そのまま5段階に位置付けること。
    Aランク=要介護5 Bランク=要介護4 Cランク=要介護3
    Dランク=要介護2 Eランク=要介護1
  2. 判定指針の判定要素2<精神症状・行動障害の状況>
    1. 入所申込書に.「精神症状・行動障害の状況」のチェックを設け、申込者に現在の状況にチェックを入れてもらう。
    2. 検討項目の19項目について、それぞれ3区分(ア.ない、イ.ときどきある、ウ.ある)とし、下記の考えにより5段階に位置付けること。

    Aランク:イ.ときどきある、と、ウ.ある、の合計項目数が10項目以上
    Bランク:イ.ときどきある、と、ウ.ある、の合計項目数が7~9項目
    Cランク:イ.ときどきある、と、ウ.ある、の合計項目数が4~6項目
    Dランク:イ.ときどきある、と、ウ.ある、の合計項目数が1~3項目
    Eランク:19項目とも、ない、というケース

  3. 判定指針の判定要素3<介護者などの状況>
    1. 判定項目を、家族構成、介護者の有無、年齢、健康状態、介護可能時間、要介護者との関係の6項目とし、それぞれ良好な状態から、生活課題があると思える状態まで3段階(ア、イ、ウ)に分類する。
    2. それら6項目について、下記の考え方により5段階に位置付けすること。

    Aランク:家族構成が<独居>で、介護者の有無が<介護者はいない>というケース Bランク:イとウの合計項目数が5~6項目
    Cランク:イとウの合計項目数が3~4項目
    Dランク:イとウの合計項目数が1~2項目
    Eランク:6項目とも、ア、のケース

  4. 判定指針の判定要素3<生活・経済等などの状況>
    1. 検討項目を、待機状況、在宅サービス利用率、在宅サービス利用状況、保険料段階、住居の5項目とし、しれぞれ良好な状態から、生活課題があると思われる状態まで5段階(ア、イ、ウ、エ、オ)に分類する。
    2. それぞれの項目ごとに、アに0点、イに1点、ウに2点、エに3点、オに4点の得点を与え、合計点を算出し、下記によりランクを設定する。

    Aランク:16点~20点
    Bランク:11点~15点
    Cランク: 6点~10点
    Dランク: 1点~5点 
    Eランク: 0点

  5. 一次判定について(判定指針により自動的に設定されるランク)
    1. 4つの大区分のA.B.C.D.Eにそれぞれ4.3.2.1.0点を与え合計点数を算出する。
    2. その合計点で、最終的に「一次判定」として下記によりランク分けを行う。

    Aランク:12点以上
    Bランク:8点~11点
    Cランク:4点~7点
    Dランク:1点~3点
    Eランク:0点

2.入居判定委員会について

  1. 入所判定委員会の名称 この委員会の名称を、緑風園入所判定委員会とする。
  2. 入所判定委員会の役割
    1. 入所申込を行って入居待機中のお客様について、入居順序の優先順位を確定すること。
    2. 空きベッドが生じた場合に、入居を働きかけるお客様の決定に関すること。
    3. 入居待機中のお客様について、お客様ご本人やご家族等との連絡調整を図り、その生活の様子や生活上の課題を把握すること。
    4. 入居待機中のお客様を担当している居宅介護支援事業者や保険者との連絡調整に関すること。
    5. その他、入居判定に関して必要なこと。
  3. 入居判定委員会
    1. 施設職員(施設長、介護支援専門員、ソーシャルワーカー、主任看護師、主任ケアワーカー)
    2. 居宅介護支援事業所の介護支援専門員(のぼりべつケアマネ連絡会の推薦を受けたもの)
    3. 第3者委員:民生委員の代表者1名・登別市包括介護支援センターの職員1名・当法人監事・片山 金治(登別クリーンサービス総務部長)
    4. 保険者(登別市)の介護保険担当職員
  4. 入居判定委員会の開催
    1. 委員会は、3カ月に1回開催するものとし、定例(4月、7月、10月、1月)とする。
    2. 委員会は施設長が召集する。
  5. 入居待機者お客様について入居順序の優先順位を確定する手順
    1. お客様等から入居申込書および関係資料を受理し、受理簿に必要事項を記入する。
    2. 「指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入所優先度判定指針」により入所優先度について「一次判定」を決定する。
    3. 「一次判定」と、入居順序の優先順位を確定する為のその他の勘案事項(「7.入居順序の優先順位を確定する為の勘案事項」参照)について検討し、最終的な優先順位のためのランク付け『総合判定(A~E)』を行う。
    4. 『総合判定』に基づいて、入居申込者順位リストを掲載する。順位の優劣がつけ難い場合は、申し込みの早い者を上位とする 。
      ※≪ランクごとの順位決定≫
      (1)まず第1に、申込書の記載内容の中のポイントに反映されない項目の<意見>【介護している上で困っていること】の内容を充分勘案して行う。切迫した緊急性があると判断した場合は名簿最上位にランクする
      (2)次に申込書の記載内容の中のポイントに反映されない項目の、【入所希望時期】の「今すぐ入居したい」と「 年 月 日まで入居したい」(今すぐ入所の希望なし)の2グループに分け、「今すぐ入居したい」群を上位にランクする。
      (3)次に、在宅高齢者世帯と在宅独居世帯を上位にランクする。
      (4)それに次いで、在宅で介護を受けている方で介護者がいるケースを上位にランクする。
      (5)次に施設、病院に入所(院)中だが、半年以内に退所の働きかけがある、ケースを上位にランクする。
      (6)最後に、施設、病院に入所(院)中で半月以内に退所の働きかけがないケースをランクする。
      (7)これらの状況が同じケースについては待機期間が長いケースを上位にランクする。
      ※これにより、入所希望時期が現在より後の方、また希望時期の指定がなく今すぐ入所を希望しない方は待機場所に関らず今すぐ入居したい方より下位にランクされ、その中の順位は、③~⑦の方法と同じく行う。
    5. 空きベッドが発生した際に、入居申込者順位リストに従い、お客様に入居の働きかけを行う。
    6. 新規申込者については申し込み時点で上記ルールにのっとり名簿に随時記載し、近直後の入所判定委員会に報告し承認を得る。
    7. 実際の入所にあたっては、7.入所順序の優先順位を確定する為の勘案事項の内容を取り入れ適切な方法で行う。
  6. 入居順序の優先順位を確定する際に留意すべき事項
    1. 最初に入居申込を受理した段階で順位付けを行うが、最初の順位付けについてはルールにのっとり担当ソーシャルワーカーが名簿に記載し、定例の入所判定員会でその経緯を説明し委員会の承諾を得る。また、要介護認定の更新等により要介護度が変更された場合、介護者等の生活・経済状況が変化した場合などには、再度、優先順位の格付けを行わなければならない。これらは3月に一度定期的に見直しを行う。
    2. したがって、何らかの変化があった場合には施設側には連絡していただくなど、お客様や居宅介護支援事業所等との日常的な連絡体制を確立しておく必要がある。
    3. 例えば、急に介護者が死亡したなど、入居のための緊急度が切迫したケースが生じた場合は、作成された入居申込者順位リストの順位にかかわらず、早急な入居が必要となる場合は緊急の委員会を開催し、緊急入所の処理を適切に行う。
    4. 同一の『総合判定』であるお客様が複数いる場合は、その中でさらなる順位付けが必要となるが、その順位付けについては、入居申込年月日(既に経過している待機期間)、入居希望年月日などを勘案して判断することとなる。
    5. 入居の働きかけを行ったが、その時点で自己都合で入居を辞退し、入居時期を繰り延べたいというお客様は、介護状況などの点数化を再計算しランク付けを行いランクが下がった場合はそのランク内で待機、ランクが同じ場合は、緊急度がないと判断し、そのランク内の最下位に順位を繰り下げる。この場合においても、そのお客様に説明を行い、同意していただく。
    6. 入居待機していたお客様から、入居辞退の申し出があった場合には、入居申込者順位リストから削除する。
  7. 入居順序の優先順位を確定する為の勘案事項
    基本的には、ケースに応じた検討が行われることが望ましいが、概略的には、、次のような事項が考えられる。
    1. 介護者が急で重大な疾病等により、介護の継続が困難になった場合への配慮。
    2. 家庭内での虐待、災害、事件、事故などにより、介護体制が著しく低下した場合。
    3. 空きベッドが生じた居室の男女別の状況への配慮。
    4. 空きベッドが生じた居室あるいは施設棟(認知症高齢者専用棟等)への配慮。
    5. 入居希望のお客様が夫婦等で、同時の同室入居を希望する場合への配慮。
    6. お客様の要医療状態と、施設がもつ医療機能とのマッチングへの配慮。
    7. その他、勘案すべき事項への配慮。

(参考) 緑風園入所判定委員会 規約

(趣旨) 第1条:この規約は、介護保険制度下における特別養護老人ホーム 緑風園の入所決定過程の透明性・公平性を確保し、施設入所の円滑な実施に資することに関し必要な事項を定める

(委員)
第2条

  1. 委員定数は10名とし、その選出区分は、次の通りとする。
    1. 施設職員  5名 (施設長・介護支援専門員・ソーシャルワーカー・主任看護師・主任ケアワーカー)
    2. 居宅介護支援事業者の代表
    3. 地域包括支援センターの代表
    4. 登別市民生委員
    5. 緑風園苦情処理委員
    6. 保険者
  2. 委員の任期は2年とする。ただし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。また、委員は再任されることができる。

(議長)
第3条 この委員会の議長は緑風園施設長が務める。 (委員会の開催など)
第4条 委員会は、3カ月に1回開催するものとし、定例(4.7.10.1月)とする。又、必要に応じて緊急の委員会を開催できる。

  1. 委員会は施設長が召集する。
  2. 委員会は、委員の2/3以上が出席しなければ開催することができない。
  3. 委員会の議事は、出席した委員の2/3以上で決するものとする。
  4. 委員は、知り得た個人情報に関し秘密を厳守しなければならない。
  5. 委員会は、議事録を作成する。 (その他)

第5条 この規約に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は施設長が別に定める。

附則 この規約は、平成15年4月1日から施行する。